東京タワーに登った、文字通り。

 東京タワーに登った。文字通り自分の足で。150m。いろんなものをなめていたと思う。後々、犠牲者を増やさないために、ここに事の顛末を記す。
 お盆をなめていた。月曜日と言うことで夏休みとかお盆とか、そんな感覚の薄い自分は、乗った電車の人の少なさに、これはすんなり行けるなと思っていた。
 東京タワーをなめていた。さすが「東京」の名前を持つだけあって、観光地として十分にその威力を発揮していた。東京タワーに登る人々の列は、東京タワーの建物の外まで延びて、エレベーターに乗るまでに一時間という時間を費やすまでになっていた。ただ高いというだけなのに。ただ見晴らしがいいというだけなのに。○○となんとかは高いところが好きと言うが、○○やなんとかがこんなに多いとは(含む自分)。観光地と言う無意味さに驚かされる。
 東京タワー職員をなめていた。東京タワー職員、もしくはアルバイトの誘導係は拡声器で「エレベーターに乗って展望台まで行くには一時間かかりますが、階段を登れば20分で到着します。今日なら風もあり涼しいですよ。ここに並んでいるうちに展望台に到着してゆっくり景色を眺めることができますので、もしよろしければ階段をお使いください」と言っていた。係員は二度目のアナウンスで階段での到着時間を「15分」と言った。素直に列を離れて階段の列へ向かう自分の視界の片隅に引っかかった「体調が悪い方は階段のご使用はご遠慮ください」という看板の文字の意味を深く考えなかった。
 東京タワーの階段をなめていた。とにかく登ればわかる。特に日々運動しない自分にとって600段という階段の数が如何に遠い道のりか。というか600段であることを最初に明示しない東京タワーの戦略に一種の殺意を感じざるを得ない。
 引き返すこともできず、登りきりましたよ。最初の100段で既に疲れてしまい後は無意識と惰性で何とか。途中の踊り場に、「景色を眺めてひとやすみ」とか「もうなかば」とか「うたをうたいながら」とか殺意を増すような文句が看板に掲げられていたが、この看板を貼り付けに来た人も階段を登ったんだろうなぁと思うと多少慰められました。
 展望台は人ごみで、休むところも無く、のんきにエレベーターで登ってきた人々でごった返しているかと思うと、何というか登頂の清々しさなんて感じる余裕も無かったですよ。
 特別展望台まで登って夕方遅くに帰宅しました。
 東京タワーになぜ行ったかというと、写真を撮る練習と言うか、何だか遠くを撮影したくなったから。こんないい加減な気持ちで東京タワーに向かったのがそもそも間違いだったのかも。
 写真はいいものがあれば後日アップします。

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