読書、書籍、マンガ、感想:「東京膜」

 「東京膜」を読み終わった。面白かった、と思う。よくわからないんだけど。淡々と日常の中の非日常ドラマを描いた作品。最初の三作品は表題の作品でそれぞれの扉に主人公の住んでいる場所の間取りが書かれている。表題作ではあるけれど、三つの作品の内容はこれと言って関連性がない。後の三作品も独立した短編となっている。率直でさばけた主人公たちが印象深かった。
 「東京膜#1真昼の客」は欲求不満の主婦の元に営業マンが来る話。
 「東京膜#2適正距離」は飲兵衛で腕の筋肉フェチのOLが飲みまくる話。
 「東京膜#3かぶと山トレッキング」は昔の思い出と重ねながら姉弟が山に登る話。
 「9時から5時までのチャコ」はふられた男女が飲み屋で知り合い意気投合する話。
 「たんの3兄妹」は程々に仲のよい3人兄妹がそれぞれの人生を語る話。
 「リビングルーム」は空き巣に入られた友達いない大学生が男友達の部屋に転がり込む話。
 どれもこれもろくでもないというか、アダルトビデオにありがちだったりする妄想みたいなもので引っ張りつつ、結局は日常に帰っていく主人公たちを描いた作品だ。主人公たちはストーリーの中にあるきっかけによって立ち直り再び日常を歩き出す。面白いのが、主人公たちは三流ドラマのシチュエーションを期待しつつも、実際には現実的な選択をするというギャップなのだと思う。

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