読書、本、感想:「絵本の書き方―おはなし作りのAからZ教えます」

 「絵本の書き方―おはなし作りのAからZ教えます」を読み終わった。内容は絵本的ではないけど、たくさんの絵本の紹介がされていて、読んでいて楽しかった。まあ、本当に絵本が好きなら、絵本の紹介じゃなくて絵本そのものを読んで楽しむのだろうけど。紹介された絵本のずいぶん多くが翻訳されていないものだったりするので、それはそれという感じもします。
 内容は絵本の作り方を具体的かつ順序立てて、それこそ「AからZ」が詰まった本です。ただし、作者本人の経験談や経験則なので、どちらかというと「絵本を作るための一例」と言った方がいいのかもしれません。作者がアメリカ人なので具体的な話は国柄が現れているところもあるでしょうし、絵本を作るまでの方法論が具体的に(ノートにメモを取るとか)書かれていますが、作者の使う方法論の一つであることは、十分に心に留めておくべきでしょう。著者も最後に、この本に書かれているルールを破るように言っています。
 私がこの本を読んだのは、「ライトノベル以前」の世界に興味があったからです。日本のライトノベルの歴史は結局のところ、推理小説とファンタジー小説とSF小説の流れがぶつかり合いながら生まれたわけですが、もっと小さい視点で、人間が生まれてから言葉を覚え文字と出会いライトノベルに行き着くまでという個人的な歴史にも興味があったわけです。
 絵本から児童文学、さらにライトノベルという流れがあるのかどうか、あるとすれば何を共通項にするのだろうか、絵本は絵の多いライトノベルであり、ライトノベルは絵の少ない絵本と言えるのかどうか、そして、ライトノベルの行き着く先には芸術というものがあるのかどうか。
 この本に答えがあるわけではないですが、そういった意味でもずいぶんと参考になる書籍でした。


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