小説、同性愛、恋愛、作家、まんが家:「耽美なわしら」

耽美なわしら〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)」を読み終わった。同性愛者が主人公のラブドラマで、帯にラブコメと書いてあったので多少シリアスな展開を期待していたが、全くもってギャグ小説だった。ギャグならもう少しシュールな展開もあっていいような気がするけど、設定もストーリーも恋愛に終始していた。シュールな性格のキャラクタたちだったけれど、特に強烈な個性、惹かれるような個性的なキャラクタはいなかった。
出てきたのは、ゲイ、レズ、バイセクシャル(男性、女性)、ノンセクシャル、トランスセクシャル、ホモ、ホモフォビア。あとはオナベが出てくればセクシャルのオールジャンルでしょうか?特に破綻も無くこれだけの性癖のキャラクタが出てくる小説なので結構すごいんだけど、あまりすごさを感じさせない。
二丁目(新宿二丁目)のゲイバーとかも出てきたりして、いろいろなセクシャルマイノリティを知るには良い小説かも。
一番に気になって感情移入できなかったのが、主人公の思考内の台詞、つまり考えていることの語尾が(~と思う)とされているところ。それはメビウスの輪かクラインの壺かウロボロスか何かなのかもしれないけど、思考の中で思っているとはどういうことなのかと突っ込みつつ、考えにはまりつつ、なかなか読み進めることができなかった。
もう一つは、作品の時間軸は方々へ飛ぶのだが、主人公の思いの人のキャラクタがページを追うごとにひどくなっている点。全てのキャラクタの性格が後半に行くほどシュールなまでに破綻に向かって突き進んでいるようにも見えるのは、作者の筆がどんどんとノッてきたからなのかもしれないけれど、主人公の思いの人はそれにも増してひどい。精神が退行している。続巻もあるようだが、最後には赤ちゃんになってしまうのではないかと思わせる勢いがある。どうでもよいが読みにくい。
この場合の読みにくいは先読みしにくいという意味ですが。
ストーリーは売れない小説家の大学生が更に売れない小説家に恋をする話。先輩のまんが家達やアシスタント、ゲイバーでの人間関係が入り乱れる。



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コメント

“小説、同性愛、恋愛、作家、まんが家:「耽美なわしら」” への1件のコメント

  1. hikakuのアバター

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