「神様のパズル」

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 「神様のパズル(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4758432333/maidsanjp-22/ref%3Dnosim/249-5556711-6391546)」を読み終わった。物理学を盛り込んだSFで理論が難しい部分もあったが、まあ解らない説明は読み飛ばしても良いかもしれない、と言う感じの物語だった。久しぶりに多くの人に薦められる小説を読んだ、と思う。そのぐらい面白かった。
 あらすじはアマゾンのものを参考にしていただければと思う。もしくは本屋で軽く立ち読みしてください。
 ただ、「ヒキコモリ」はあんまり関係なかったと思う。大きな意味で「自分の中に引き篭もる」と言う話ではあったと思うが、物理的に自室に引き篭もっていたのは最初だけだ。そういう意味ではちょっとがっかりした。
 あと、恋愛ドラマは少ない。まったく無いわけじゃないけど、最後に、におわす感じも無かった。一種の青春ドラマはあった。主人公が汗とか涙とかを垂れ流していた。もうべちょべちょである。だから読後の爽快感は保障する。
 科学的な難解さはあるが、結局は数式的な理論展開がほとんど無かったような気がする。主人公が理解できないからという理由で説明がすっ飛ばされる箇所が沢山あった。逆に主人公が理解できないからという理由で、物理学のゼミの学生たちの話なのに、ずいぶん砕いた表現や、感覚的な話題を盛り込んであると思った。読者である私は相当バカなので嬉しかった。
 最後に、主人公の論文をきちんと書いて、全文を載せて欲しかった。それが、この小説の主題でありタイトルであり、趣旨であり結論であると思うからだ。ついでに言うなら、日記形式が挿入されているのだから、論文が挿入されていても不自然が無いし、原稿用紙で50枚程度と表記されていたので盛り込めたはずだ。これは実に残念だと思った。
 第三回小松左京賞を取ったそうです。


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