ちかテレと地上波デジタル

 茅場町のホームで「ちかテレ」というものを見た。ホームにいる人に向けた大型の画面である。都心部屋外にこのごろ増えつつある大型の画面をやや小さくして地下に持ってきたもののようだ。取り付けられた位置は上りと下りの隙間。私が見たときは何も映っていなかった。
 ネットで検索したところ、まあ、普通の広告媒体としての活用が考えられているようだ。ネット上にあったPDFの説明だとJPGとMPEG-2の形式を流すことができるらしい。普通に音の無いDVDが流せるってことなのかなと思ったが、縦横ピクセル数がずいぶんと選択肢が無くて驚いた。テレビ放送系の発想だとこのぐらいなのかなとも思った。
 テレビの視聴率が下がりつつあるという話はいろいろと聞いている。情報収集がインターネットにシフトしつつあるという話は、「インターネットはテレビより便利だ」というメッセージとともに言われることが多いが、実際には「テレビ番組が以下にくだらないか(質が低下したか)」ということなのかもしれないと思う。
 広告というのは広告するための媒体を持っている事で成立する。例えば放送局は視聴者がテレビを見てくれる限り、電波と言う媒体を活用することができたわけだが、人がテレビを見なくなれば、媒体としての価値は落ちていく。
 だからと言うわけではないが、街頭テレビによる無差別テロ的な放送、その放送のための積極的な番組作りが、放送局を次に繋げるキーワードになるような気がしてならない。「ちかテレ」や繁華街の大型画面に面白い番組を映せば、各家庭に配信するより効率が良い。
 ケーブルテレビの広がりでチャンネル数は格段に増え、一番組あたりの製作コストは下がらないといった問題を多く抱えているらしい。ネットではGYAO(http://www.gyao.jp/)とYouTube(http://www.youtube.com/)が無料で動画を提供している。多チャンネルだとザッピングされたときに同じチャンネルに戻ってくる確立を相当下げてしまう。このまま行くと放送局は権威が失墜して行くだろう。
 携帯電話でテレビ番組が見ることができるようになりつつあるが、これもネットでの放送が携帯電話で見ることができるようになれば、廃れていくと思われる。
 今の転換期を「しのぐ」のではなく「リード」していかなければ、テレビと言うものが消えていくのではないかと思われて仕方が無い。


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