「未来さん」というマンガは面白い。本当はもっと早くに紹介しようと思ったのだが、絶版でなおかつ古本の方が値段が高いので紹介すべきか悩んだが、結局紹介することにする。理由は復刊ドットコムで未来さんの復刊ページ(http://www.fukkan.com/vote.php3?no=8728)があったからだ。高い値段の古本を買うより、復刊させて読んで欲しいと思う。
まずこのマンガの致命的な部分は「絵が下手」と言うところだと思う。帯の推薦文が「唐沢なをき」だし。
ただ、絵が上手ければいいというわけでもない。このシュールで味のあるストーリーにはこの絵が合っているとも思う。
内容は随分未来ですごい技術を持っているんだけど、みょうに無駄な方向性に発展させた世界。例えば「息を吐きかけたときに一番汚れが落ちるように特殊コーティングを施されたガラス」とか。電力を電池サイズで配布とか。
そういえば、モノを買うシーンがない。お金が出てこない。所得の格差は見られるし、覆面をした過激派とかも出てくるんだけど。
一つの世界観と主人公を共有した短編集だが、ストーリーとして好きなのが図書館での話の「魂の保存されている場所」、出てくるキャラクタが好きなのが「THE END OF THE ARTIFICAL LIFE」、発想が特に秀逸だとおもうのが、バレンタインの贈り物が主題の「脳みそ」だとおもう。まあ、甲乙付けがたいので、それぞれ読んだ人の好みが相当分かれるとは思う。
とにかく復刊して欲しい。
「未来さん」
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