「推理小説作法」を読み終わった。小説の書き方の本にしては読みやすかったと思う。推理小説というジャンルのおかげで具体的な記述が多く読みやすくしているのかもしれないし、そもそも書いている人の問題かもしれない。
内容は推理小説をいかに書くかという事を、複数の人間がそれぞれの得意分野に分かれて書いている。例えば江戸川乱歩が「トリックの話」で推理小説のトリックの種類とその具体的な実例を書いていたり、植草甚一が「推理小説とスリラー映画」というタイトルで両者の関係を書いていたりしている。
私が一番ためになったと思うのは、「現場鑑識」という章である。書いているのは平島侃一という医学博士だ。この章は具体的な話しか書いていない。ついでに図表が相当付いている。とても参考になる内容だ。
次に参考になるのが「トリックの話」という江戸川乱歩が書いている章と、「推理小説の発想」という松本清張が章だ。「トリックの話」は江戸川乱歩が書いた「類別トリック集成」からいくつかを分かりやすい文章にしている。「推理小説の発想」は松本清張の創作ノートを中心にした、発想とメモの取り方が書いてある。
他にも参考になる深い話ばかりで読み応えがありながらも、各章で作者が違うのでダレがないのが読みやすさの秘訣のようにも思う。
ちなみに、内容は1959年なので古い部分もある。特に精神論というか「これからの推理小説」という部分で意見が分かれていて面白いといえば、確かにそうなのだが・・・。目測を誤っている作者の章の内容については何ともいえない(苦笑。
推理小説を書きたい人には必見、だと思う。
読書、本、感想:「推理小説作法」
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