「マッカンドルー航宙記」を読み終わった。ハードSFとしてとても面白かった。文体自体はあまり翻訳を感じさせないが、科学的な話が多く、興味が薄い人には付いていくのがつらい話かもしれない。物語の前に「はじめに」という作者自身のSFについての考察があり、巻末にはこの物語で重要な位置を占める科学技術に関しての小説の主人公による考察が掲載されている。内容は5つの話からなる短編作品集の体裁はとっているものの、一連の物語として続いている。
ストーリーは女船長と宇宙一の天才科学者が木星への定期便に乗っているところから始まる。世界設定としては「人類は地球を飛び出して活動を始めたが、技術的な面から太陽系より外は未知の世界」となっている。地球からタイタンへの旅は2ヶ月かかる世界だ。
ストーリーの鍵を握るのはブラックホール技術「カー=ニューマン・ブラックホール」の略である「カーネル」だ。巻末の主人公の科学考察もこのブラックホールの事が中心となっている。
多少なりともネタが古いという部分はあるものの、個々のストーリーの中にあるアイディアに関しては新鮮で読んでいて興味が尽きない。もっと読みたいと思わせるとても面白いハードSFでした。
読書、小説、ハードSF:「マッカンドルー航宙記」
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