読書、小説、感想、短編、アンソロジー:「七つの黒い夢」

 「七つの黒い夢 」を読み終わった。全200ページ、7つの話が入っているので一つの話が平均28.5ページ程度。短編集というよりは「ショートショート」集といった感じだが、それぞれの作家の特徴は楽しめる作品集になっていて興味深かった。作品各々は、やはり短いせいであっさりしているので、「ショートショート」に慣れない人には物足りないものかもしれない。私は星新一氏のショートショートに慣れているので長さに不満は感じなかった。本書タイトルが「黒い夢」となっていたが、どの作品も黒と言う感じではなかったし、夢という感じでもなかった。もっと「クトゥルフ神話」的なコテコテ感を期待したんだけど。
 中でも表題に近づけようとしているのが北村薫氏の「百物語」と誉田哲也氏の「天使のレシート」。岩井志麻子氏の「哭く姉と嘲う弟」と恩田陸氏の「赤い毬」もホラーテイストの構成にはなっていますが短すぎるのか意味が分からない内容になってしまっていました。
 私はこの作品集の中で面白いものが一つあればと思ったんですけど、なかなかうまくは行かないものですね。
 「この子の絵は未完成」乙一著。某東京広告機構のCFを思わせるタイトルと内容でした。
 「赤い毬」恩田陸著。内容はストレートに赤い毬です。
 「百物語」北村薫著。現代の百物語ってこうやってやるんだなぁと。
 「天使のレシート」誉田哲也著。少年の微妙で大雑把な心の動きはいい感じです。
 「桟敷がたり」西澤保彦著。空港での一幕です。
 「10月はSPAMで満ちている」桜坂洋著。ライトノベル推理ものです。
 「哭く姉と嘲う弟」岩井志麻子著。姉弟のはなしです。

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