先日友人と飲んでいて、こんな飲食店があったら良いのに、みたいな話をした。飲食店に従事していた頃に考えていたコンセプト系の飲食店で、友人には面白そうだから店を出せと言われたが、自分としては今後飲食店にかかわる仕事はしないから、と笑って断った。
自分の頭の中にある飲食店のアイディアだが、どうせ自分で実現するつもりがないので、ここで披露しても問題はない事に気が付いて、記載することにする。
アイディアの無断使用改変OKです。
①小説朗読バー
コンセプト
小説を耳で聞きながらお酒を飲む
騒ぐのではなく静かに過ごす事がお客様にも求められる
朗読は声優になりたい女性スタッフが担当
店内の雰囲気は古典的な喫茶店、もしくは原稿用紙をモチーフにしたようなスタイル
概略
店内に入ると聞きなれない声で聞きなれた文章の朗読が聞こえる。文豪の短編が朗読されている。今日は録音だが定期的に生のスタッフの朗読を聞く事もできる。
席に通されると羅生門の冒頭が印刷された大き目のコースターが用意され、頼んだオーダーが置かれる。軽食を注文すると誰かの短編が書かれた紙をマットにつまみが出てきた。
月末に締切りの「店内オリジナル作品朗読会」のお知らせのポップが見えた。小説を書くお客様の未発表短編作品を店内でスタッフが朗読するイベントである。公共で朗読するので公序良俗に反しないものが条件になる。結構な数の作品があつまると、店長はうれしい悲鳴を上げていた。
②ピクセルアートバー
コンセプト
内装をピクセルアートで埋め尽くし、ピクセルアートを愛でながらお酒を飲む
ユーザー登録をしてもらうと、店内のファイルサーバーに自分のピクセルアートを置く事が出来る。
各テーブルはディスプレイ、若しくはピクセルアート用のモニタになっていて動画等を表示させる事ができる。お客様のPCをHDMIで繋いで画面を見ながら飲食ができる。スピーカーは狭い範囲でのモノを使用すれば可能
概略
店内に入ると壁にはピクセルアートモニタがびっしりと並んでいる。スタッフに会員証を見せるとバーコードで読み込まれて、壁のピクセルアートに自分のピクセルアートアイコンが追加される。自分が知っている常連が3人来ている、というのも壁のピクセルアートを見るとすぐにわかる。
席に着くとピクセルアートモニタが置いてあり、自分のアイコンが表示された。カウンタにはピクセルアートが表示されるモニタが見えた。自分が描いたものも表示される。
ノートPCを取り出して先日から描き始めたピクセルアートを今日こそ完成させるためにお酒を片手にタブレットで作業を始めた。
③特殊工作喫茶店
コンセプト
店内を二つに分けて、工作作業と飲食ができるスペースを設けた喫茶店。
溶接、研磨機、レーザー切断機等の特殊工具が置いてあり、予約制でスペースを借りる事が出来る。鑢やリュータやはんだやグラインダーなどの機材を買うことも可能で、貸出のロッカーもある。
飲食スペースはガラス張りで作業場所が見えるようになっている。
作業場所でのトラブルに関してはお客様同士で十分注意する事や溶接や研磨等の危険な作業も行われるので、防塵マスクとゴーグルは必須。肌を見せない作業着必須。事故の際はお店には責任がない等の免責事項にサインする事が必須。
概略
店内を入ると目の前のガラス窓の向こうの作業場に常連の日曜大工が鉄製の棚を作っているようだ。飲食スペースでは常連のご家族が軽食を食べながら作業を見守っている。ひとまずは飲食スペースに腰を落ち着けて軽食をとった。
スタッフがカレーライスを持って来た時に注文していた鉄板が届いている事を教えてくれた。こちらの設計図通りにレーザー切断は済んでいるらしい。食事が終わったころに溶接機が空いたようなので自分も用意を始める為にロッカー室に向かった。
④音ゲーバー
コンセプト
太鼓の達人などの音ゲーが遊べるバー
ダーツバーの音ゲー版、もしくはカラオケバーの音ゲー版のイメージだが、店内の占有率によっては風俗営業に当たる可能性が出てくるので、機種を置けるかどうかは店内の広さに寄る可能性が高い。
現状のゲームはネットワーク配信のレンタル品や、カード販売が付属したシステム等なので、古いネットワークが必要ない機材での揃えるか、PCを使ってエミュレータを動作させてモニタに表示、特殊コントローラを設置する機材を作成する。
店内装飾はゲームセンターをイメージして、飲食も軽食で自動販売機も置き、出来るだけオペレーションを簡略化して、機材のサポートに重点を置く。
古い筐体と基盤が手に入らない場合は、音楽もオリジナル作品や古い著作権の切れたものを使う。
飲食店でもお客様に機材を貸出ての遊戯に関して法律で取り締まられるので、真っ当なゲームレンタル会社を通すのが寛容かも。
店内に入ると電子音が流れてきた。入口から見回すと奥においてあるモニタに繋げられた機材を軽妙に演奏する人影が見えた。いつも高得点を出すお客さんが占領していた。カウンタについてショットグラスを一杯頼んだ。常連は演奏が終わって一旦静かになると自動販売機に向かってエナジードリンクを買う。席を離したカウンタで缶をあけて一気に飲み干す姿がゲームの筐体の明かりに照らされていた。手元のショットグラスが空になるとスーツの上着を脱いでカバンから指のないグローブを取り出してゲーム機に向かって歩き出した。
コメントを残す